【わたしと中国:上海”我金無”事件(笑)】
そんなこんな?で、いろいろと思い返してみると、人生とはかくもネタばかりなのであった。
大学時代の専攻がインド・イスラーム文化だったのもあって、当時は長期休暇といえばインドによく出かけていた。まぁたいがいが珍道中なのだけども(笑)いま思い出してもいちばん笑えるのは、インドからの帰り、上海で乗り換えだったので空港までのバス代とごはん代くらいしかもたずに上海の街で夜を明かしたときのこと。
朝一のバスで空港に行けば間に合うはずだったのだけれども、待てど暮らせどバスなど来やしない。
空港行きのモノレールはまだ動いていなかったし、バス代くらいしか現金をもっていなかったので、タクシーに乗るわけにもいかず・・・
うひゃ~これで飛行機とか逃したらやばい~!とドキドキヒヤヒヤ。
そして街では思いのほか英語が通じなかったのがさらなる誤算。
必至なときって人間なんでもやるなと思うのだけど(笑)、そんなピンチにきっといろんな日本人が試みたであろう「デタラメ漢字大作戦」を決行いたしました。乏しい漢文の知識を総動員して「飛行場に行きたいのだけどお金がありません。日本に帰ったら送るのでかしてください」と(いうつもりで)書いてみた。
もう、「我金無」って書いたときの情けないやら笑えるやら(笑)、このあやしいえせ中国語で書いた紙を、道ゆく優しそうな人をつかまえては見せるのだけども、完全にあやしい日本人で誰も相手になんかしてくれません(そりゃそうだ笑)。それで街の人に声をかけるのはあきらめて、タクシーに直接交渉に乗り出したんだけど、お金もないのにのせてくれる人なんかやはりおらず。
もう何台も断られ、いや~いよいよ困ったな、と思いながらこれで最後だっと思ってつかまえたタクシーの運転手さんが、なんと「いいよ」と言って乗せてくれたのであった!神!!!
そして空港に向かう途中、どっかに日本円でも現金なかったかなぁ~~~~とカバンをゴソゴソしていたら・・・な~~~~んと、五千円札発見!!!!
よかった~~~これで、ただ乗りしないですむ~~~~(冷汗)とホッと一息。
そして「あった、あったよ!!!!」と運ちゃんに興奮して伝えるも、そもそもあまり事情が分かってないので残念ながら興奮伝わらず(笑)。無事空港ついて、両替して、タクシー代を運ちゃんに渡し、めでたく帰国できたのであった。比喩でもなんでもなく、あのときの彼はまぎれもなく神であった。
いまでもたまにこの「我金無」ってフレーズをあのときの必至さとあわせて思い出しては、我ながらぷっとふきだしてしまう。まったく自慢になるような話ではないですけれど(笑)、人生でなんだか暗い気持ちになったときにはこの時のことを思い出すとだいぶ笑えるので、過去の自分とタクシーの神に感謝。