20170209 18:19
なんかもう、ほんとうにいまさらでお恥ずかしいかぎりなのですけど、ようやくヒトというものがどういうものなのか、分かってきた(納得できてきた)ような気がする。
ミドリムシとかゾウリムシとか、そういう単細胞生物の眩しいまでのシンプルさに憧れてしまうようなところがあるので、ヒトとして生きるというのはわたしにとっては過剰なまでにフクザツで、今思えばなんだかほんとにチンプンカンプンだったのである。
つまり、ヒトというのは・・・
「ひとりでいれば淋しいと思い
ごはんを食べなければハラをすかし
ハダカでは寒かったり暑かったりする」
そういうイキモノなのですね!!!
なぜか基準がヒマラヤの山奥でハダカで暮らしてる人、みたいなところがどこか無意識にあり、生きるうえで他者を必要とし食べものを必要とし衣服を必要とする、そういうことがわたしのなかでどうにも腑に落ちてなかったのである。どうしてもなくて困る、ということはないはずだと。
いや、でも、ここ日本だし!!2017年だし!!ミドリムシじゃないし!!
「ひとりでいれば淋しいと思い
ごはんを食べなければハラをすかし
ハダカでは寒かったり暑かったりする」
死ぬまでちゃんとそういう人間でありたいと、あらためて思う今日このごろです。
こんなときに思い出すのはいつもブラジルにいたときのこと。
その当時をふりかえった日記を掘り起こしてきたので、長いですがもしよかったら。
(5年も前のものなのでちょっと恥ずかしい)
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20120627
は~~~~~~~。
ひ~~~~~~~~。
ふ~~~~~~~~~。
へほ~~~~~~~~~っ
は~~~~~~、
いや~~~~、地球、すごいわ。
すんごいとこだわ。
こ~~~~~んなにもすごいとこだったなんて、
知らなかった。
2009年のブラジル行きの結末が、こんな風に落ちてくるなんて、ちっとも想像つかなかったよ!
う~ん。すごい。
なんかもう、感謝しかない。
時間をかけてしか分からないことってじつはすごく苦手なんだけど、でも、それがこんなに素敵なことだなんて初めて知った。
今の地球のあり方を、本当に、心から愛おしいと思う。
バカみたいだししょうもないし無駄もいっぱいだし時間なんて無視したいし、分離ってなに?って感じだし、もう文句はタラタラなんだけど、でも、そこで繰り広げられているドラマがこんなにもキラキラしていて愛おしいものなんだったら、みんな、好きなだけ好きなように生きたらいいよって思う。
生きるっていう、ただそれだけのことが、こんなにも美しいことだなんて!
それを目の当たりにすると、つい毎回感動しちゃう。
だから「執着はするな」とかヤボなことは言いたくない。
インド哲学も、たしかに生きる智慧の最高峰みたいなとこはあるんだけど、地球には「最高峰」でなくても、それぞれにすばらしい生きる智慧があって、私は今生でそれをずっと知りたいと思ってきたし、「最高峰」以外のやり方も愛したいと思い続けてたっていうことが分かった。
インド哲学がどういう意味で「最高峰」かっていうと(ここでいうインド哲学って、広義の意味で、レーネンさんもそうだし、いま主流になってるスピリチュアル的な考え方と源泉を同じくしているもの。)「苦しみから逃れる」という目的を達するための哲学としては「科学的」といっていいくらいの明快さと合理性があって、そういう意味でやっぱ「最高峰」だと思うの。
でも、人間には、「苦しみから逃れない」っていう選択肢もあって(その代表選手を私はブラジル人に見てるんだけど)、それを選んだ人たちにはその「最高峰」はまったく役に立たないんだよね。目的が違うから。「苦しいとか悲しいとか楽しいとか、もうそんなのにかまってらんないよ、とにかく、私は今、この瞬間、自分が感じてること、自分がしたいと思ってることをするから!!!結果なんか知らん!!」みたいな。だって、ブラジル人に「執着」について説くことほど野暮なことってないんだもの。
でも、彼らは彼らなりにハッピーに生きる智慧を生み出してて、瞬間のキラキラに命を懸けてて、しかもそれが、インド哲学的な考え方と、本当に深い、深いところではしっかりつながっていて、わたしはこのつながりを見つけたくて、信じていて、ああ、今に至る~~~るるる~~~
(もう、なんかややこしすぎて伝えることを放棄しだしてる・・・笑)
ややこしいので、具体的な出来事の方を話すと、
とにもかくにも、ブラジルでお世話になってたアーティスト夫妻の弟家族が日本に来てるというので、月曜日に会うことになった。
彼らとすごした時間というのはわたしの中ではまだ未消化な部分がたくさんあって、やることなすこと裏目に出る、みたいな、愛の交換をうまくできなかったことが最大のトラウマで、彼らのあり方を愛したいのに自分の傷の方が大きすぎて、愛せないことが苦しくてしょうがなかったというか。で、そんなままだったから、今回会うのもちょっと気が重いところがあって、しかもブラジルから帰るときにゴチャッとした流れでもらってきちゃったかなり立派な作品を弟家族に持って帰ってもらえるよう頼むっていうちょっとこれまたややこしい要件もあって。
で、気は重かったんだけど、会ってみたらさ、やっぱりあの、ブラジル人独特の、なんていうんだろう、M家独特ともいえるのかもしれないけど、やわらかくて、優しくて、奇跡みたいな愛の空気になるんだよね、その場が。ちょっとギクシャクしたところもやっぱりあるんだけど。
で、なごやかにお昼ごはんを食べて、どんなところに行ったとか行きたいとかそんな話をワイワイして、で、一段落したところで私の方の目的だった「作品を持って帰ってもらう」お願いをしたんだけど。で、まぁ、家族だから事情はすぐに察してくれて、(兄のややこしさは親族ならみんな理解している。にしてもM家は兄弟そろってあんなにできた奥さんをつかまえてるとこがまた奇跡)OKってことになって。
で、わりとスムーズにいったかと思いきや、やっぱその後でなににかわからないけど、弟の方が傷ついてるのがわかって、遠慮のない攻撃オーラが無言のまま発されていて。で、無言の攻撃オーラを久々に浴びて、「うわ~~~~これだ~~~~。これに私は本当に参ってたんだよなぁ~~~~(兄弟だけにすごいそっくり~~~~)」となつかしく思いだしていて。
で、そんだけ遠慮なく攻撃オーラ出しておきながら、口では何も言わないのね。で、たちが悪いのは自分でもそんなオーラが出ちゃってるなんて気づいてないっていう。苦笑
それだけ何かが嫌だったなら言ってくれよ!って思うんだけど絶対言わないの。そこが、アメリカや他のラテンアメリカの国との大きな違いだし、いた当時は、そこに一番傷ついてて。
で、「うわ~~やっぱきついな~~~~」と思ってたら、そのうちに(ブラジル人だから普段からスキンシップは絶やさないんだけど)娘に甘えてとにかくハグ、ハグ、ハグ、いちゃいちゃいちゃ、と始まって。でね、それ見てたら急にわかったの!
「わ~~そっか~~!この人たちはなんだか自分でもわかんないけど傷ついちゃったハートを、こうやってその都度癒してるんだ!だからわたしは相手が自分の行為によって受けてしまったかもしれない傷の心配までしなくていいんだ!彼らは彼らでちゃんと癒す術を持っているんだ!」って。
ああして、ブラジル人がいつも暇さえあればだれかれ構わずハグハグいちゃいちゃしてるのは、彼らが傷つきやすいからでもあり、傷つくようなできごとが頻発するからでもあり、だからこそ誰かを攻撃してもしょうがないっていうことも理解していて、でも自分の傷をそのままにすることもできないから、だれかを攻撃したり、ある意味瞑想するかわりに、ハグハグいちゃいちゃしてるんだっていう。
自分の中に神を見つけるのもいいけど、すぐとなりの人に神を見つけてもいいんじゃないっていうね。お互いが、お互いの神(マリア)になりあえばいい。
だから、生きる術としての「切り離し」をある意味ほんとうに実践していて。自分が傷つくのは、相手とは関係のないことだということを、まるで信仰のように持っている。だから、傷ついたと思ったら、瞬時にどんだけ攻撃オーラが出ちゃってても、その瞬間にもうハグハグして、めいっぱい甘えて、優しくしてもらって、なんとか次の瞬間から相手を愛そうと必死で。ああ、なんて愛すべき・・・
もうね、それが分かって、どれだけ安心したか。
やっぱ今になって気づくけどいつでも恐怖だったんだよなぁ。自分が生きてることが誰かを傷つけてるんじゃないかってことが。で、攻撃を受けることも。
だから、要はブラジルにいたときにその思い込みがものすごい勢いで現実化してたってことなんだけど。そういう意味で、ブラジルは本当に引き寄せと現実化がはんぱない場所だと思う。「ほどほど」ということがない。そんなの知らないで葛藤抱えたまんまポーンと飛び込んだなんて、ほんとおそろしいことしたよなぁ・・・
でも、こうして時を経て、恐れていたものをきちんと見ることができるようになって、そうしたらこんなにも愛すべき贈りものが届けられるなんて、なんて素敵なことなんだろう。
本当に、こんな結末になるなんて、
もう、ほんとうに、生きるということにはびっくりしっぱなし。
あ~~~もう、本当に、遠回りしたかいがあったなぁ。
「最高峰」にすっと行ってしまったほうが私にとってはずっとなじみがあるし、楽なのは分かってたんだけど、「最高峰」じゃない、人間が、人間らしさを保ちながら、普段の生活の中で、自分を抑圧しないで、どうやったらお互いをいたわりながら生きていけるのかってことを知りたかったんだと思う。瞬間にありったけの愛を込めて、めいっぱい執着して、裏切られて傷ついて、、そうやって生きる生き方を肯定したかったというか・・・。あれ?なんか演歌みたいだけど?笑
「結果なんか知らん!!」って、つまり最高に執着を手放している。笑
あ~~~あの、ブラジルのマジカルでエキセントリックな感じを、ぜんぜん伝えられてないのがものすごく残念!(そう考えると、ブラジルを小説にしたカレンはつくづくすごい。カレン・テイ・ヤマシタ『熱帯雨林の彼方へ』はとても素敵な小説です。)
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あああ、まだまだブラジル人への道は遠いけれども、彼らの愛すべき生き方はわたしにとって永遠の憧れ。